さんさいのかね
三才之矩

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「片山流剣術序目録」には、「三才之矩(さんさいのかね)」として、3種類の心がまえが書かれています。

才とは「はたらき」「能力」ことで、天の才(はたらき)は地面に形を作ること、地の才(はたらき)は天に従って物を作ること、人の才(はたらき)は天地の間を行動します。矩(かね)とは「ものさし」のことで、測ったり調べたりするときに使う道具です。 ですから「三才之矩」とは、「三つの「はたらき」を知るための大事な方法」という意味になります。

この目録には、
「目附機輪玉蕊心通 (めつけきりんぎょくしんしんづう)」
「身之矩方圓曲直鋭 (みのかねほうえんきょくちょくえい)」
「道筋三段 (みちすじさんだん)」
と3つの矩(かね)が書かれています。
目録4 
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「三才之矩(さんさいのかね)」 (3つのはたらきの定規)
・才とは「はたらき」「能力」こと、矩(かね)というのは「ものさし」のことです。
・才能は人の生まれつきのもので、学んでも仕方がないとあきらめてしまう人がいます。これは大変惜しいことで、才能は学べば学んだ分だけ身につくものですから、がんばって努力しなければいけません。
・たとえ、生まれつきの才能があっても、学ばなければ才能があっても無いのと同じになってしまいます。
・才能は、使う場所と使い方をよく知って上手に使うことが大事です。

目附機輪玉蕊心通(めつけきりんぎょくしんしんづう)
・何かをしようとする者は、しっかりと目的を心に通じさせることです。
・そのために、「目附(めつけ)の視観察(しかんさつ)」という方法があります。
・しっかりと、「視て」、「観て」、「察て」、心が納得するまで見極めることが大事です。
・水晶の玉の芯を見るように、見透かせば、ものが動く、「機論=きざし」が察知できます。

身之矩方圓曲直鋭(みのかねほうえんきょくちょくえい)
・難しいことをしようとする場合には、十分にその内容を知って、準備をすることが必要です。
・世の中には色んな形があります。「方(ほう)」は四角で地の形、「円(まどか)」は丸く天の形、「曲(きょく)」は身を折って沈む形、「直(ちょく)は身を縦にして浮く形、鋭(するど)は先が尖った形です。
・世に中に色んな形があることを知っておいて、何かをしようとする場合は、その場その場に応じた一番適切な形(方法)を使うことです。

道筋三段(みちすじさんだん) 
・道には、まっすぐ行く道、裏から行く道、遠回りでいく道の三つの道筋があります。
・相手が来るのは、高い道から来る場合、下の道から上がってくる場合、平らな道から来る場合と、三段の道があります。
・このように、道には三筋と三段がありますから、その場その場によって具合や駆け引きが違うということを知っておきなさい。
・敵にも考えがあります。自分に都合よくばかりはいきません。自分に都合がいいことは、相手には都合が悪いので乗ってはきません。色んな場合を考えて対応しなさい。

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ふ〜ん、そっか〜

shima8