長さ:35.8 cm (一尺一寸八分) そり:0.2cm 表銘:備州長船康光 裏銘:応永廿二年八月日
平造、小板目肌素晴らしく良く詰み、直刃、匂いきりりと締り、焼刃むらなく焼き入れの巧みさがうかがえる。 応永備前の独特の棒映り良く立ち、八幡大菩薩と梵字の彫りも巧み。
康光は、盛光・師光と並び応永の三光と称される応永備前の代表工ですが、とりわけ康光は盛光と双璧をなす名工といわれています。俗にいう「応永備前」とは、応永年間に作られた備前刀ですが、南北朝の争乱も収まり、北山文化が花開く世の中の動きを反映し、刀の姿も豪壮な体配から、鎌倉期の太刀を手本とした優麗な姿へと変わります。
この刀の裏銘には、応永廿二年八月とありますので、西暦1415年、時代は四代将軍足利義持の時、義満によって金閣寺が創建された17年後に当たる594年前の作となります。
大大名の大小拵えの中にこの平造の脇差が入っているのが最上の拵えと言われていますが、本脇差の品格は、上級武士の直垂姿に指されてこそ似合うものと感じます。
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