長さ:70.5 cm (二尺三寸三分) そり:1.5cm 表銘:奥州会津住兼元 裏銘:文久二戌年八月日
姿は、鎬造、庵棟、身幅尋常、重ねやや厚く、反りやや浅くつき、中切先。肌は小板目が詰んで地沸微塵にあつくつく。刃文は、互の目に尖り刃交じり、沸匂深く、よく沸つき、刃縁に沸こぼれ、刃中に足、葉入って、金筋、砂流し盛んにかかる。
十一代兼定は古川清左衛門と称し、天保八年に会津若松に生まれました。嘉永五年に若干十六歳で会津藩に出仕し兼元と名乗ります。
文久二年八月に会津藩主松平容保が京都守護職に任命された事を期に京に上り、翌年の文久三年十二月に和泉守を受領し兼定に改めました。
この刀の裏銘には、文久二戌年八月と刻まれておりますので、まさに松平容保が京都守護職に任命された幕末動乱の歴史が動こうとするときの作刀です。
文久三年、新撰組が京都守護職の預かりとして設立されたこともあり、11代兼定は、新撰組副長土方歳三の愛刀としてもよく知られ、土方を敬愛する人にとっては、垂涎の刀となっています。
※ 当会の「入会のしおり」では、この「十一代会津兼定」を用いて、「刀剣各部の名称」を自作しています。
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