長さ:68.6 cm (二尺二寸六分) そり:1.4cm 表銘:備前介藤原宗次 裏銘:安政七年二月日
鍛小杢目肌良く詰んで美しく、地沸細かにつき地景細かに入る。刃紋むらなく、小沸出来の直刃仕立て。
清澄にして端正な美、鋩子が深く返るさまは艶やかな美しさをみせています。
固山宗次は、俗名を宗兵衛(惣兵衛)といい、享和三年(1803年)奥州白河に生まれました。初めは白河松平家の抱え工でありましたが、その後江戸四谷左門町に住して、弘化二年に備前介を受領しています。
この刀の裏銘には、安政七年二月と刻まれておりますので、安政七年三月三日、大老井伊直弼が暗殺された桜田門外の変の一ヶ月前に当たります。
また宗次は、幕府御様御用【おためしごよう】(刀剣の試し斬り役、首斬り役)であった山田浅右衛門等に刃味利鈍の指導を受けて作刀し、その切れ味は新々刀中随一といわれています。
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